随分前のことですが、正社員として働いていたころ、時々パートの人と話すことがありました。いつもは事務所と現場で離れて仕事をしていたのですが、たまに返品がたくさんでることがあります。
そんな時は事務所も交代で応援に行ってチェックしていました。
パートの人達は仲間と楽しそうに話しながら仕事をしています。
私も仲間に入れてもらって話をしていたのですが、あまり楽しそうな顔ではなかったのでしょう。一人が私のそばに来て話しかけました。
「生きていたら人生色々とあるよ。笑うも人生、泣くも人生、同じ人生なら笑って生きよう」
その人はいつもニコヤカで楽しそうに話をします。
「私も色んな事があるけれど笑って生きるようにしているの」苦しいこともあるけれど、笑い飛ばしているのだ。
若かった私は、あゝ、自分では自覚していないけれど、いつも辛そうな顔をしているのだな。そんな私に教えてくれているんだな。前にもこの言葉を聞いたことがあるけれど、言葉の深い意味を理解していなくてスルーしていた。
人は辛いことがあっても辛いなんて言わないし、食いしばって頑張っている。又それを乗り越えて強くなっていく、この人は穏やかな顔をしているけれど、この穏やかな顔は辛さを乗り越えた穏やかさなのだと思いました。
つらい経験をした人は人の痛みが分かるから人に優しく出来る。
この人の優しさに触れた私は、その人の言葉が心に深く入りました。
辛い時に中々、笑顔でおれないけれど作り笑いでもいい、笑顔でいれば幸運が舞い込むよ。